saimu

自己破産

個人破産 とは

個人破産とは、債務者が多大な債務を抱えて経済的に破たんし、その資力をもってしてもすべての債権者に対する債務を弁済できなくなったときに、債務者の財産を債権者に対して適正・公平に清算するとともに、裁判所を介して債務全額を免責してもらう手続をいいます。

自己破産、という呼び方を耳にされる方も多いかと思います。

破産手続開始の申立てをするのに法的な専門知識や専門的判断は必要なく、機械的にすることができるという話をうかがうことがあります。

しかし、そのようなことはありません。手続は複雑ですし、そもそも破産手続が適正に処理されるため、債務者が経済的に破たんした段階から適正な処理がなされることが不可欠です。

個人破産は借金の返済を免除してもらうことで新しい人生をスタートさせる重大な手続です。そのため、実績が豊富な弁護士事務所へご相談されることをお薦めします。

自己破産の流れ

受任通知・開示請求

弁護士が各債権者に対し依頼者から債務整理を受任した旨通知し、併せて取引履歴の開示を請求します。

取引履歴取得・引き直し計算

債権者から開示された取引履歴に従い利息制限法に従った引き直し計算を行います。これにより、返済すべき残債務の額及び過払い金がある場合その額が判明します。

手続選択

自己破産手続を行うということで方針決定します。

破産手続・免責許可の申立て

申立て書類を作成し、裁判所に破産手続・免責許可の申立てを行います。
申立ての準備に当たっては、依頼者の方には添付資料を集めるなどしていただく必要があります。

破産手続の開始

破産手続開始決定の要件が満たれていることが確認されると、裁判所は破産手続き開始決定を行います。決定に先立ち、債務者審尋が行われることもあります。

破産手続の終了

破産手続は、①配当、②破産取消し、③破産手続廃止、④他の手続の進行による失効のいずれかによって終了します。①あるいは③で終わることが大半です。

免責審尋、免責許可(不許可)

免責の申立てを認めるか否かの判断に当たって考慮すべき事情についての調査をするため、裁判所が債務者の審尋を行うことがあります。このとき、裁判所から破産に至った経緯などについて質問されることがあります。そしてかかる審尋を経た上で、免責許可(不許可)が決定されます。

免責許可の確定、復権

免責許可決定がなされ、官報公告掲載がなされてから2週間後に免責許可決定が確定します。そうすると、税金等一定の債権を除いた他の債権については返済が免除されます。また、破産手続開始決定により生じていた各種の資格、権利制限が消滅します。

自己破産のメリット

手続の制限及び費用

個人再生手続は利用できる債務者に負債総額で制限がありますが、自己破産手続にはそのような制限がありません。
また、管財事件等にならない限り、個人再生手続に比べ手続費用が低額です。

債権者の同意が不要

任意整理、特定調停、個人再生等は借金を減免してもらうために債権者の同意が原則必要です。しかし、自己破産手続では債権者の同意は必要ありません。

免責になる債務

任意整理、特定調停、個人再生は手続を経ても原則債務が残ります。しかし、自己破産手続では原則その債務の全額が免除されます。

収入の見込み

任意整理、特定調停、個人再生は手続終了後借金を返済していかなければなりませんから、原則として債務者に収入が見込まれることが必要です。しかし、自己破産では債務が原則免除されますから、収入の見込みは必要ありません。

自己破産のデメリット

財産の制限

自己破産手続においては、一定の財産以外は手放さなければなりません。そのため、マイホームをお持ちの方はマイホームを手放すことになりますし、自動車についても、新規登録から5年未満の車については手放さなければなりません。

転居・郵便物の制限

管財事件となった場合、破産者は裁判所の許可を得なければ転居や旅行をすることができません。

免責不許可事由

破産法上、一定の事由が免責不許可事由として定められており、これらの事由が存在すると、債務の免責が受けられないことがあります。

公法上、私法上の資格の制限

破産者は、司法書士、税理士、宅地建物取引業者等の公法上の資格、会社役員や代理人、成年後見人といった私法上の資格に制限があり、破産手続中、これらの職を一時的に失うことがあります。

保証人には破産の効力が及ばない

主債務者が自己破産手続を選択し、債務の免責を受けたとしても、保証人はその免責の効果を受けることはできません。そのため、債権者は保証人に対し債務の全額を請求することができます。

勤務先、友人、親族の借入れがあると破産申立てを知られる

任意整理や特定調停と異なり、自己破産手続においてはさまざまな資料を裁判所に提出しなければなりません。一例として、勤務先からの「退職金見込額証明」、同居の親族等の「所得証明書」「資産証明書等」を取得する必要があります。また、友人から借入がある場合には債権者名簿への登載が必要となることがあります。そのため、これらの過程で破産申立てを知られてしまうことになります。

官報に住所、氏名が記載される

破産手続開始決定、免責許可決定がされると、破産者の氏名、住所が官報によって公告されてしまいます。

信用情報機関へ事故情報として登録される

信用情報に登録されてしまいます(いわゆるブラックリスト)。

Copyright (C) 2013 桜樹法律事務所 All Rights Reserved.