kigyou

「退業」のすすめ

「退業」のすすめ

サラリーマンには定年「退職」の制度がありますが、中小企業の経営者の多くや個人事業主にはこのような定年の制度がありません。しかしながら、いくら優れた経営者や事業主であっても、いつまでも働くことはできないのですから、いつかは自分自身の「退業」を決断しなければならないときが来ます。

さらに、体力的・年齢的な限界だけではなく、会社や事業の経済的な限界から「退業」するのケースもあり、とりわけ今回の金融円滑化法の廃止に伴い、このケースが多数発生することが予想されます。

いずれにせよ、決定的に重要なのは、いつ「退業」するかのタイミングです。このタイミングによって、経営者・事業主自身の将来の生活設計の面だけでなく、従業員や取引先、債権者に及ぼす影響が大きく変わってくるのです。早期に事業の将来を見極め、タイミング良く「退業」することができれば、他人に迷惑をかけることなく円満に事業を退き、定年退職の場合と同じように悠々自適の生活を送ることができます。

ところが、「退業」のタイミングが一歩遅れれば、債権者や取引先はもちろん、従業員や家族に大きな迷惑がかかることになり、経営者・事業主の今後の生活設計どころではないということになってしまいます。実際、「退業」の決断が遅れたばかりに、破産手続をとる費用すらなくなり、夜逃げをするしかないという例も少なくはないのです。

「退業」の方法には、通常の清算のほか、事業承継、M&A、債務整理、自己破産等、いくつかのバラエティーがあります。「退業」のタイミングや会社・事業の状況に応じ、最も適した方法を選択することが必要です。そして、どのような方法によるにせよ、関係者の皆にとって利益となる(あるいは不利益が最小限度になる)ことを目指さなければなりません。

桜樹法律事務所の企業法務

Copyright (C) 2013 桜樹法律事務所 All Rights Reserved.